あゆ「…ゆーいちくーん」


祐一「………」


あゆ「…ゆーいちくーん!」


祐一「気のせいかなぁ。うぐぅの声が聞こえるが」


あゆ「…貴様という奴はぁ!修正してやる!


俺の台詞が相当気に入らなかったらしい


キュピーン


祐一「…!!俺にも…俺にも、敵の動きが見えるぞ!」


遠く離れているはずの奴の動きがなぜか俺には分かった


秋子「祐一さん享年17歳。ニュータイプに目覚める」


祐一「って秋子さん!俺は死んでないって!」


あゆ「そこだよ!行けっ、フィンファンネル!」


俺の突っ込みの隙を狙ってあゆの背中から大出力のファンネルが放たれた!


しかし、フィンファンネルは届く前に落ちて地面をうねうね這っている


あゆ「うぐぅ…なんで?」


あゆが俺のところまで来ると不思議そうな顔をしていた


祐一「馬鹿だな、あゆ。フィンファンネルは宇宙での使用が前提なんだぞ? 空を飛ぶわけが無いじゃないか」


あゆ「でも、キュベレイMk-IIのファンネルは飛んでたよ?


確かにどう見ても搭載数より多い数のファンネルが飛んでいた


祐一「軽いからな。それに漏斗状だから比較的空気抵抗も少ない」


あゆ「うぐぅ…トライダガーZMCより空気抵抗少ないのかな?


祐一「知るか・・・ところであゆ、顔にネオ・ジオンのエンブレムが付いてるぞ」


あゆ「え?」


ミトンの手袋でゴシゴシと顔をふいている


子供かこいつは


あゆ「取れた? 祐一君」


祐一「あぁ、もともとついていなかったしな」


あゆ「うぐぅ…祐一君、僕の事虐めてる? ついでに言うと子供ってどういう事だよ!」


ボボボッ


憤慨したあゆがミサイルを放った


そうだった。こいつニュータイプなんだっけ


いかんいかん、下手なことは考えられないな


ミサイルは明後日の方向に飛んでいったが街の被害は甚大だ


あゆ「ぶつくさ言ってたのが聞こえたんだよ!」


違ったらしい


秋子「…祐一さん」


祐一「なんですか、秋子…っ」


むに。ほっぺを突かれた。



秋子「秋子だなんて…いけないわ、私たちは血縁なのよ?


あぁでも、などと呟きながらくねくねする我が叔母


祐一「………」


あゆ「奴と戯れるな!祐一君!


間髪いれずあゆがビームキャノンを撃ってきた


所詮あゆの攻撃、明後日の方向へと飛んでいく


祐一「おまえ最初とキャラが違うぞ?」


舞直伝のチョップ(?)をあゆにかましながらあゆに尋ねる


あゆ「ザクトは違うんだよ、ザクトは!


秋子「種ネタですか」


祐一「いや、素で間違えているんだと思いますが」


いつの間にやら正気に戻ったようで我が叔母は適当な突込みを入れてきた


綾子「モビルスーツの性能の差が、戦力の決定的差でない事を見せてやるっ!


どごぉ!


祐一「ぐはぁ!」


どこからか現れた綾子さんに飛び蹴りをかまされて俺は盛大に吹き飛んだ


秋子「祐一さん享年17歳。ニュータイプに…」


それはもうやった


綾子「えへへ〜、祐一君元気にしてた?」


中越しにじゃれ付いてくる綾子さん


俺が地面に倒れていなければほほえましい光景だったろうに


綾子「最近着てくれないから寂しかったんだよ〜」


何を着るんだ、何を


秋子「祐一さん、こちらの方は?」


あゆは無視かよ


綾子「うりうり〜」


相変わらず綾子さんは俺にじゃれ付いている


祐一「こっちは川澄綾子さん、でこっちは俺が居候させてもらっている水瀬家の家主、秋子さんだ」


綾子「はじめましてっ!私、川澄綾子って言います!」


あゆ「うぐぅ、それのボクの台詞だよ


綾子「祐一君、やぬしってなぁに?」


あゆ「それもボクの台詞だよ!」


祐一「家の中で一番えらい人の事だ」


あゆ「君も普通に返さないでよ!」


秋子「月宮あゆちゃん…」


あゆ「いきなり本編に戻らないでよ!」


祐一「うるさい奴だな」
秋子「うるさいですね」
綾子「うるさい子だね」


あゆ「うぐぅ


秋子「ところで祐一さん」


祐一「はい?」


秋子「この方はどちらの」


今の遣り取りはなかった事になったらしい


綾子「改めて自己紹介させていただきますね、お母様


俺の説明は聞いていなかったのか?


綾子「私は川澄綾子。祐一さんとは結婚を前提にお付き合いさせていただいているものです」


秋子「…祐一さん、今の話は本当なのですか?」
あゆ「…祐一君、今の話は本当なのかな?」


笑顔が怖い


一言でも発そうものならば即座に殺られる


そんな状況だ


秋子「ごめんなさい、気のせいですよね」


あゆ「ボクが行ってもいいの?」


秋子「えぇ、うちならいつでも大歓迎よ」


突然会話が元に戻る


こいつらなかったことにしやがった


綾子「祐一君、私も行っていいのかな?」


秋子「…俗物がっ」